2011年2月18日金曜日

吉村昭 | 間宮林蔵



超ノンフィクションノベルの第一人者、吉村昭先生の作品です。幕末の幕臣であり、冒険家、あの間宮海峡の発見者の生涯を綴っています。樺太探索の描写はまるでその場で見ていたような感じです。吉村先生は実はタイム・トラベラーだったんじゃないかと思いたくなる程のリアリティを感じます。後半は幕府の密命を受けて暗躍する隠密としての姿が描かれています。あと面白いなと思ったのは間宮林蔵の性格描写で人間臭く描かれていてそこがまた共感を感じてしまいます。江戸時代って鎖国政策で外国とのやりとりって殆どないと思っていたのですが実はそれなりにやりとりがあったんですね。そんな事もわかる作品でした。