2011年1月30日日曜日

宮尾 登美子|天璋院篤姫



「幕末もの」が大好物な為、何の迷いもなく読み進めました。アマゾンのレビューを読むと案外評価が割れているのがちょっと意外でした。その原因は文体にあるみたいですね。確かに読む人によってはしんどいかもしれません。私もちょっとしんどいかなと思って読み始めましたが波乱万丈な展開と並行してNHKオンデマンドで大河ドラマを視聴していたので然程苦にはなりませんでした。ドラマもかなり面白かったので「篤姫」のイメージをドラマで持っているか小説で持っているかでちょっとちがっているかもしれません。ドラマは小松帯刀との交流と互いの成長を物語のひとつの軸として描いていましたが小説のほうは篤姫の心情描写をかなりきめ細かく描いています。特に和宮に対しての多少屈折した感のある篤姫の感情をきめ細かく描いています。これをドラマで表現するのはちょっと難しいでしょうね。いくら宮崎あおいが天才女優でも。あと今回この小説を読んで思ったのが「徳川慶喜」の描かれ方です。作品によってその描かれ方にかなり幅がありますよね。この人も歴史的に評価が分かれる人なのでしょうか。西郷隆盛坂本龍馬とは対照的ですね。



司馬大先生の「慶喜」観がたっぷり堪能できます。